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脳のエネルギー源

脳はブドウ糖(グルコース)のみをエネルギー源として使用しています。肝臓や筋肉はブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵しますが、脳は絶えず血液中のブドウ糖(1時間当たり約5g程度)を燃やしてエネルギー(アデノシン-3-リン酸)を作っています。このエネルギーの産生にはさらに酸素が必要で、これを供給する血液は全血液量(4~5L)の20%を必要としています。

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脳の暴発

最近、衝動的な事件や凶悪な殺人事件が目立っています。これは脳内の神経細胞間の隙間(シナプスという場所)で情報の伝達に与かるドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質が受け取る神経細胞へ過剰に作用すると、興奮しっぱなしになり、自ら制御できなくなり怒りを爆発させ、危害を与えてしまう結果となってしまいます。

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トリプトファンに注目!

一例ですが、セロトニンの材料となるトリプトファンを減らしたネズミは凶暴性が増して噛みつくようになります。そこで、現代社会ではむしろ興奮を抑えるセロトニンという神経伝達物資を十分に脳内で増やす必要があります。幸い、ヒト脳内では食べ物により摂取される必須アミノ酸のトリプトファンに依存してセロトニンが作られていることが判っています。

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タコスは好きですか?

トリプトファンの脳内への取り込みでは、少し工夫が必要です。例えば、通常の食事の後に甘いデザートや砂糖入りの飲み物を摂る習慣があります。これは、膵臓からインスリンを分泌させて血中の濃度を高めます。この結果、インスリンに依存してトリプトファンが脳内へ取り込まれるとの報告があります。ぜひ、デザートや飲み物をお勧めします。
ところで、トウモロコシにはトリプトファンは含まれていません。そこで、トウモロコシを原料とするトルティーアの皮を用いたタコスは、肉やチーズ、豆などの具で、トリプトファンを補っています。

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主な担当科目

生理学(専門:神経化学)他

 
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