みなさんは小学校に入学する前、保育園に通っていましたか。それとも、幼稚園や認定こども園に通っていましたか。今回はこれらの施設の違いに注目しながら、将来のために知っておきたい保育の知識を紹介します。
子どもたちが保育施設で元気に遊ぶことは、日本国憲法や子どもの権利条約で保障された権利です。また、親が仕事や病気などを理由に、わが子を保育所などに預けることも権利です。これらの権利を守るために、法律により国と地方に役所(行政機関)を設け、定められた事務を担当させています。保育所、認定こども園、小規模保育事業などはこども家庭庁が、幼稚園は文部科学省が所管しています。
幼稚園では満3歳~6歳児を対象に4時間を標準とする保育を行います。保育所では0~6歳児を対象に8時間または11時間の保育を行います。認定こども園は両施設の対象児を一緒に保育します。幼稚園は学校、保育所は児童福祉施設、幼保連携型認定こども園は両方の性格を持ち、園庭や調理室、園舎の階数などの設備や職員配置の基準、開園日数、午睡の有無などに違いがありますが、子どもを保育するのは同じです。
海外では施設による違いのない国も多いです。スウェーデンでは保育所と幼稚園の区別は1998年に学校法によって取り払われ、1~6歳児対象のプリスクール、6~7歳児対象のプリスクール・クラスとしています。基本的に残業がない職場が多いという背景もあり、親の就労状況等によって通う施設が限定されることはありません。あるプリスクールでは7~9時に園に集まり、12時に午睡をはさみ、15~17時に順次帰宅しているようです。
日本では2023年4月からこども家庭庁が発足し、こども政策推進会議が司令塔になってこども施策をとることになりました。今後はすべての子どもの意見を踏まえ、公的保育制度を充実させることが期待されます。2019年10月には政令改正によりすべての3~5歳児の保育料が無料になり、2024年度には76年ぶりに4・5歳児の保育士配置基準を改善しました。保育をはじめ子どもの権利を守る社会にすることが、大人の責任と言えるでしょう。
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教育行財政/教育政策 他