鉛筆の正しい持ち方をもう一度振り返りましょう。鉛筆の正しい持ち方は小学校1年生の「国語」の授業で学習しています。しかし、実際に、教科書通りに持っている「大人」は多いとは言えません。なぜ正しく持った方が良いのか、何が正しいのかを説明します。
皆さんは鉛筆の持ち方を誰からいつ頃教えてもらったでしょうか。現在の学校教育では、鉛筆の正しい持ち方は小学校1年生の国語で学習します。現行の国語教科書では、「あいさつのことば」などの導入の後に、「じをかくしせい、てのおきかた、もちかた、かみのおさえた」と写真を使って説明しています。見開き2ページで、次の2ページは運筆の練習を載せるほど紙面を割いています。持ち方を丁寧に学習させたいという意図が見えます。
そして、「しょしゃ(書写)」の教科書ではさらに詳しく書かれています。ある教科書では次のように書かれていました。「①にほんのゆびで、②えんぴつをはさんで、③なかゆびぴたり、④えんぴつおこしてかみのうえ」(東京書籍『あたらしいしょしゃ一』)。二本の指とは親指と人差し指のことで、その二本に中指を添えるということです。挿絵と写真入りで鉛筆の持ち方だけで、国語と同様に見開き2ページです。
このように小学校で学習しているはずなのに、大人の鉛筆の持ち方はどうでしょうか。写真を見てください。ここでは三つのパターンを紹介します。その他にも独特の持ち方をしている人もいます。
長い間の人間の生活習慣の中で「正しい持ち方」として整ってきたのにはいくつかの理由があります。一つ目は、正しい持ち方は指先だけでなく書く姿勢全体をよくするということです。人間の体にとって負担の少ない姿勢ということになります。二つ目は、正しい持ち方は指先の可動域が広がりますから「止め・はね・はらい」などの細かい部分も丁寧に書けるようになります。皆さんも一度自分の持ち方を見直してみませんか。
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国語科(含む書写)研究/国語科教育法/こども文化/こども文学 他