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若い頃は、歯は当たり前の存在のように感じるけれど

永久歯は28本ありますが、年齢を重ねるごとにその本数は減少していきます。70歳になると平均で20本、80歳で平均15本、90歳で平均9本、100歳では平均2本となります。歯の損失は、食べたいものを自由に食べられなくなるだけでなく、特定の音を発音しにくくなり、見た目にも悪影響を及ぼします。さらに、歯の損失は心血管系疾患や呼吸器系疾患、認知症発症のリスクを高めることも分かってきています。

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歯の損失と栄養面との関連

歯の損失は栄養面にも深い関わりがあります。歯を失うと、硬いものや繊維質の食品を食べにくくなります。その結果、食事の選択肢が制限され、特に栄養価の高い生野菜や果物、肉類の摂取が減少し、ビタミンCやタンパク質などの栄養素が不足しやすくなります。また、食べるスピードが遅くなることで、周りの人との食事のペースが合わなくなり、食事の楽しさを感じにくくなります。これにより、さらに栄養不足が進んでしまいます。

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歯にとってよくないものは糖類と低いpH(酸性環境)

甘いお菓子や加工食品には、砂糖や果糖ブドウ糖液糖と呼ばれる糖類が多く含まれています。これらの糖類は、口内の細菌によって酸に変換され、歯のエナメル質(歯の表面を覆っている硬い層)を溶かし、虫歯や歯周病など歯の欠損の原因となります。pHが5.5以下の酸性環境は歯に有害です。多くの食品のpHは5.5以下の酸性であり、食後は歯が最も危険にさらされる時間です。では、どのようにしたら歯を守ることができるのでしょうか?

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歯を守るのに大切な習慣とは

歯を守るための習慣として、食後にはお茶や水を飲んで口内のpHを上げましょう。唾液には酸を中和する働きがあり、しっかり噛んで唾液の分泌を促進することが重要です。だらだら食べを避け、食事の間に十分な時間を空けることで再石灰化(エナメル質の修復)の時間を確保しましょう。さらに、就寝中は唾液分泌量が低下するため、寝る前にしっかりと歯磨きすることも大切です。ぜひ実践してみてください。

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主な担当科目

食品学/食品衛生学/食品学実験/食品衛生学実験/生物学/食生活論 他

 
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