「餡(あん)project」のみなさんにお話を聞きました。(家政学専攻)

家政学専攻の中でも軸となるカリキュラム、「生活スタジオ」。
衣・食・住・生活文化に関わる様々なことをテーマとし、いくつかのチームに分かれて地域の方々や企業とコラボレーションします(今までのテーマなど詳しくはこちら)。1年間の活動中は予想外のハプニングもたくさんありますが、チームで乗り越え、それによって個々が成長していく過程は、他の授業では生まれないことです。

今年のチームは以下の3つです。
・岡崎市のフリーペーパーをつくる「『だもんで』編集部」プロジェクト
・地元の和菓子店と連携して商品を開発する「餡(あん)project」
・「Designers」プロジェクト(詳細は後日公開)


今回は「餡project」のみなさんにお話を聴きました。

★どんなプロジェクトなのか教えてください。
豊田市にある和菓子屋「近江屋」さんとその姉妹店である「あずき庵」さんとコラボレーションし、新しい和菓子を商品開発していくというプロジェクトです。メインコンセプトは「身近に感じる和菓子」としました。商品開発だけでなく、和菓子教室を開いたり、商品のポップづくりも行っていく予定です。

★プロジェクト名に「餡(あん)」という言葉が入っていますね。
近江屋さんから、「餡をテーマにしてほしい」「餡の新しい可能性を探って欲しい」と最初に伝えられました。餡は和菓子の基本ともいえる素材ですが、家政学を学んできた私達ならではの、親しみやすい和菓子がつくれればと思っています。

★近江屋さんとはどのように関わりながら進めているのでしょうか。
毎月活動報告に訪れますが、とてもフレンドリーに接していただき、いつも訪れるのが楽しみです。私達が試作できるように、近江屋さんから餡をいただくのですが、毎回いただくのも申し訳ないと思い、市販の餡を利用してなんとか近江屋さんの餡に近づけようとするものの、なかなか近づけず・・・。それぐらい近江屋さんの餡は美味しいです。また、近江屋さんは常に新たな取り組みをされていて、先日も豊田市の抹茶を使った新商品について新聞に記事が載っていました。それを読んだら「近江屋さんの商品開発にかける想いはやっぱりすごい!」と思うと同時に、「私達にそこまでの想いはあっただろうか」と少しだけ壁にぶつかった気分でした(笑)。

 


(※中日新聞社の許諾を得て転載)

★商品開発について、現在の状況を教えてください。
今のところ、餡とチーズを組み合わせようと考えています。学内向けの活動中間発表会で、「和菓子好きは年配の方が多く、そういった方にチーズは受けないんじゃないか」というご指摘をいただきましたが、私達は「チーズは好きだけど餡が苦手」という層に和菓子好きになってもらいたいと思っていたので、やはりチーズは死守することにしました(笑)。しかし、どんな種類のチーズを使うかはまだ検討中です。

 

★生地についてはどうですか?
こちらも試行錯誤中です。今日はメンバー4人がそれぞれ、タルト、白玉、八つ橋、パイ生地、を試作しました。例えば八つ橋に抹茶を混ぜる場合、生地を蒸してから抹茶を混ぜたらいいのか、混ぜてから生地を蒸したらいいのか、など各自こだわりながらも悩み中です。その都度お互いで試食したり、先生や助手さんに感想を言ってもらっています。

  

  

★客観的な意見はありがたいですね。
本当に。先生方は、私達が授業時間以外に遅くまで残って活動している時にも付き合ってくれます。プロジェクトを進めていくのは自分達ですが、ちゃんと見てくれているという感じがします。「資格の勉強よりも何よりも、この3年生の1年間はとにかく生活スタジオを頑張ってください。どんな道を目指す人にも必ずプラスになります。」というメッセージをいただいたときは、先生方の熱い気持ちが伝わってきました。

 

★チームの雰囲気もとても良いですね。
被服の分野が得意な人、学芸員志望の人、食関係の企業で働きたい人、など将来の希望や指向はばらばらですが、「生活スタジオ」のチームとしてはうまくまとまって、みんながそれぞれの力を発揮していると思います。できないことは無理強いしないし、お互いの性格もよくわかっているので喧嘩もしないです(笑)。商品の完成は9月下旬を目指していて、その後は和菓子教室も開催していくので、これからも助け合いながら頑張りたいです!