昨年の夏にスタートした、岡崎市額田地区の「おかざきかき氷街道」。
街道沿いの7つの店舗が、額田の天然水(神水)を使ったふわふわのかき氷に、特産物を使ったみつの工夫をしたかき氷を提供し、町おこしに取り組んでいます。
そんな中、愛知学泉大学の管理栄養士専攻に「特産物を使用し、栄養的な知識を生かし、なおかつ若い人を呼び込むための新しいかき氷を提案してほしい」という依頼をいただき、3年後期(地域栄養教育論)~4年前期(地域栄養・食育政策論実習)の授業の中で、3つのチームがオリジナルかき氷を開発することになりました。
お店の方や額田地区の担当の方、岡崎市保健所の管理栄養士の方などにはこれまでにも何度か足を運んでいただき、試食・アドバイスをしていただきましたが、5月9日の試作会はいよいよ最終段階。
★「ナスのかき氷」チーム
額田地区の特産物であるナスを使ったかき氷を開発しました。かき氷の中には細かく刻み甘く煮たナスのコンポートが入っており、ナスのチップスもトッピングされています。
このかき氷には、食品を科学的に学ぶ学生ならではの仕掛けも。
紫色のかき氷に「ある果物の液体」をかけるとピンク色に変化し、その次に「(あることをした)水道水」をかけると青色に変化します。酸やアルカリの特性を活かして実現したもので、色が変わる瞬間はみなさんにも「お~」と感心していただけました。
またもう1種類、和風のかき氷にも挑戦。老舗のお茶問屋さん「宮ザキ園」さんから「ヨモギを使ったものもあるといいな」と言っていただき、ヨモギの風味が活かされた濃厚なかき氷が完成しました。
手作りのヨモギ白玉(モチモチ食感)が中に入っていて、きな粉と黒蜜もトッピングされており大人も楽しめるかき氷です。みなさんからは「和風感がすごく出ていて美味しい!」という感想をいただきました。
★「柚子のかき氷」チーム
柚子シロップは色がうすく、かき氷の色と同化してしまいます。
何度か試作を重ね、完成度の高い柚子シロップが完成。柚子だけでは出すことができなかった黄色の色をクチナシでつけています。さらに今回は、練乳をくわえ、練乳もクチナシでやさしい黄色に染め、柚子シロップと柚子コンデンスミルクのハーモニーが広がります。この日は採ったばかりの「新茶の芽」をトッピングして見た目もさわやかに仕上がりました。「前回の試作からすごく味が良くなっていて驚いた!」と言っていただきました。
★「キウイのかき氷」チーム
キウイをふんだんに使ったかき氷。栄養価の高いゴールデンキウイをつかってシロップをつくり、花形にカットしたキウイとヨーグルト、ベリーをトッピングしています。「見た目が華やかだし、夏にぴったりなさわやかな風味が良い!」などの感想をいただきました。
関係者の方々に試食していただけるのはこれが最後ですが、各チームともまだまだ課題は残るようです。
「ナスの色が安定しないのでどうしたらいいか。」
「ショウガを隠し味として入れたいがどの程度いれたらいいか。」
「はちみつはフルーツの香りを消すと指摘していただいたので、砂糖を使ったほうがいいのか」など。
ですが今回、試食していただいたみなさんからは
「最初はどうなるかと思ったが、みなさんの成長がすごいと思いました。」
「どれも完成されている。」
「学生さんがこれだけ頑張っているので、額田地域の活性化もこれからますます頑張りたい。」
など、これからの活動の励みになる意見を多くいただきました。
管理栄養士専攻では、将来の進路を見据え、3年次より専門分野の学びを深めます。この取り組みに参加している「地域栄養・食育政策論実習」では、地域の方と一緒に食品開発に取り組んでいます。また、イベントで栄養教育活動なども行っています。卒業後、管理栄養士として活躍できるよう研鑽を積みます。
ちなみにこれらのかき氷は、7月末に行われる「ぬかたのわんぱくまつり」で披露される予定です!