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<研修の概要>

目的・特色


 2003年度のコミュニティ海外研修は、フランスでの研修を通じ、異文化社会や住民組織、NGOの活動などについて、国際的な視点で学ぶことを目的としています。学内での事前研修を含む全プログラムに参加することで、フランスのコミュニティとそこに住む人々を多角的に知り、日本のコミュニティの課題発見・解決にむけた知識を習得することを目指しています。

事前セミナー

 異文化社会を訪ね、短い期間でその社会を知ることは簡単なことではありません。研修をより実り多いものとするために、実際にフランスに行く前に、フランスの住民組織、裁判所、NGO、NPOなどについて学習します。事前セミナーは、学生による自主的な学習を基本とし、何を学びたいかを参加者それぞれが明確にすることを目的としています。

研修地

1.アミアン(Amiens)住民組織
 アミアン市は、パリから北に電車で1時間ほどの街です。人口は16万人。市には26の住区があり、各住区の委員会は、高齢者、青少年、環境、安全帯策、交通等に関する政策について協議し、また地域の行事(祭りやバザー)等も行っています。日本の町内会と比較して地域の住民活動のあり方について考えます。

2.フランス最高裁判所
 フランスの裁判所は、司法裁判所、行政裁判所、憲法院と分かれています。訪問する最高裁判所は、主として民・刑事事件を扱います。パリ中心のシテ島にあり、裁判官の卵の教育を行う研修所も隣接しています。訪問では、フランスの裁判システムを学ぶとともに、裁判官がどのような教育を受けるのかも知ることができます。

3.NPO訪問
 「SOSラシズム」は、1980年代、アルレム・デジールという高校生が始めたNPO。主としてマグレブ出身者をサポートする活動を行っています。フランス社会の10%を占めるようになったマグレブ出身者がフランス人と共生するための援助活動や移民を受け入れている小学校の見学から、移民の人権を保護し、多様な人々との共生を目指すフランスの姿を学びます。
 避妊や中絶、エイズは、思春期には特に関心のあるテーマです。「プランニング・ファミリアル」は、1956年から活動しているNPOで、政府に対し、避妊や中絶など生殖に関わる権利を要求するともに、性に関する相談、小学校からの性教育の実践、DV被害者の受け入れなどの活動を行っています。フランスのNPOによる性教育を実際に体験します。

4.NGO訪問
 「国境なきスポーツ」は、1999年パリの大学院生3名によって設立されたNGOで、スポーツ関連のNGOとしてはフランス最初のものです。スポーツ関係諸機関で廃棄処分となったスポーツ用具を修理・再生し、途上国を含む国内外の教育資源として提供し再利用することを進めています。国際的なネットワークを広げ、作業場開設や作業研修会開催を行うことによって、途上国における労働技術向上の場を提供することにも貢献しています。スポーツ用具を通じての身近な活動が国際社会に貢献する現場を体感します。





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