愛知学泉大学

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保育職シンポジウム「本当のことを見抜くために」を開催【こどもの生活学科】
2026.02.19

 保育職シンポジウム「本当のことを見抜くために」が、
2月5日(木)に本学にて開催されました。

講師にお招きしたのは、
元中日新聞記者で現在フリージャーナリストの秦 融(はた とおる)さん。
秦さんは、冤罪事件の取材に長く関わっておられ、いわゆる湖東記念病院事件をテーマにした『冤罪をほどく〝供述弱者〟とは誰か』(風媒社)などの著書があります。
この本の内容をベースに、NHKは「新プロジェクトX~挑戦者たち~ 『無罪へ 声なき声を聞け』滋賀・看護助手 知られざる15年」という番組を2025年7月5日に放映しています。

■『冤罪をほどく〝供述弱者〟とは誰か』(風媒社)
■「新プロジェクトX~挑戦者たち~ 『無罪へ 声なき声を聞け』滋賀・看護助手 知られざる15年」


今回は、実際の取材の様子や冤罪が生まれる仕組みなどもご説明いただきながら、「本当のことを見抜く力」をテーマに話していただきました。

保育職にとって、本当のことを見抜く力は情報過剰な現代では、特に必要です。
子どもの「本当」をわかっていてこそ、良い保育ができます。

冤罪事件を防ぐための気づきには、本当のことを見抜く力が必要です。

「冤罪は色眼鏡(バイアス)で見ることから起こる」

講演の冒頭、そう語り始めた秦さん。
自身が取材に関わった冤罪事件の経緯について、詳細な時系列や当時の報道資料を交えながら、熱のこもった解説が続きます。

・メディアや情報は、見方やバイアスによって事実と異なる印象を与えることがある
・「作られた自白」が存在する背景と、取り調べの過酷な実態
・知的障がいや発達障がい等の特性が、冤罪のリスクになる可能性
・組織の論理に流されず、おかしいと思ったことを追究する「調査報道」の重要性

特に、知的障がいと発達障がいの特性を持っていた当事者が、なぜ嘘の自白をしてしまったのか。
その背景や、支え続けた家族・恩師の存在についてのお話は、将来子どもたちと関わる職業に就く学生たちの心に深く響くものでした。


「組織に従順な人だけが活躍するわけではない」
「普通の人が普通に暮らせることが人間の尊厳である」
秦さんからの力強いメッセージに、多くの学生が真剣な表情でメモを取る姿が見られました。


講演後の質疑応答も活発に行われ、学生からは核心を突く質問が次々と飛び出します。

「もし自分が逮捕されたらどうすればいいか」という問いに対しては、
「黙秘し、すぐに弁護士を呼ぶこと」という実践的なアドバイスに加え、
「組織の中で信頼できる人を増やしていくこと」の大切さが説かれました。

最後は学生代表が謝辞を述べ、
「作られた情報に惑わされないことが大事だと学べた」と感想を共有。

1年生から4年生まで合計73名の学生にとって、保育者として、また社会人として、情報の裏側にある真実を見極める目を養う貴重な機会となりました。