愛知学泉短期大学 幼児教育学科
・最近の新聞コラム紹介
【子どもの仕事は遊ぶこと】岡崎げんきっ子新聞2019.8
『小さな子どもたちは、生活の多くが遊びの時間である。勉強や体育の時間は殆ど無い。子どもは遊びの体験を通して身体や心を発達させていく。友達と協力したり我慢したりして、上手く遊べた喜びの中でやさしい心も芽生えてくる。
娘が幼い頃、知育玩具のお店で少し難しいおもちゃを買ったことがあった。知能の発達を願って娘に与えたものの、殆ど遊んでくれなかった。親の心子知らずと言うよりも親の一人よがりであった。子どもが「パパ、公園のブランコで遊んだよ。体を動かすと元気な子になるんだよ、友達と遊んで思いやりのある子になるんだよ。だからいっぱい遊んだんだぁ」とは言わないだろう。ブランコが楽しいからやっているのだ。我々大人は子どもの遊びを心身発達の手段として捉えているが、子どもにとっては遊ぶことそのものが目的である。遊びは子どもの自由な行動であって、強制されるものではない。やるかやらないかは子ども次第である。けれども大人はあれこれとやらせたくなる。イルカショーのイルカは餌を与えないと芸はしない。物を与えて外発的動機づけをしても内発的にやりたいという意欲は生まれづらい。
そこで、子どもの好奇心を探っていく。子どもたちにとって、面白そうだな、やってみたいな、楽しいなと思う遊びの環境を与えてやりたい。子どもはそれに飛びついてくる。そして、その遊びが大人が願う一人よがりの内容に近いものであれば尚良いと思う次第である。』