Community News 72004.6)  夏期特集号

十分な学力と判断力備えた学生を送り出す

新学長が教育充実に決意

 

愛知学泉大学新学長に若林努前経営学部長が4月就任した。新学長は「きめ細かな教育で存在価値を高める」と大学活性化実現への抱負を次のように述べた。

 

今日、大学を取り巻く環境は大変厳しさを増しています。国立、公立、私立を問わず、大学は生き残りをかけて激しい競争を行なっています。学校法人安城学園は93年の長い歴史があり「庶民性」、「先見性」という確固たる教育の理念があります。そして本学にはこの教育理念にそった「建学の精神」があります。本学はこのような競争の中でリベラルアーツカレッジとして教養教育を重視してきめ細かな教育を行うことで、大学の存在価値を高めます。そのために個々の教員には、それぞれの専門分野の研究に力を入れ、その成果を学生に還元していただきます。そして、社会の変化に対応できる十分な基礎学力や判断力を備えた学生を社会に送り出さなければなりません。

 

 大学は学問を探求する場であり、専門職を養成する場であり、そして社会人としての素養を養う場です。学生の皆さんは、このことを肝に銘じて大学で多くのことを学び、その中から各自の信念に従って、正しいと思うものを見つけ出してください。そうすることで、学問を究め、真理を探求することができ、大学で学んだ専門知識を社会で実践し、社会に貢献することができます。

 

 私は教職員、学生と協力して、教育向上に取り組める環境を整えます。

 

 

 新学部長に山崎丈夫教授

 

コミュニティ政策学部第3代学部長に山崎丈夫教授が3月就任した。学生が中心となってISO14001(環境マネジメントシステム)の認証取得によるエコキャンパスづくりやボランティア活動などを通じて学部を活性化しようと新学部長は意欲を燃やしている。以下は学部再建にかける山崎学部長の熱いメッセージである。

 

 今年度から、新しく学部長に就任いたしました。どうぞ、よろしくお願いいたします。コミュニティ政策学部はコミュニティ政策学を身につけていく学部です。コミュニティ政策学は、地域社会とそれを取り巻く生活世界のなかで起こる諸問題を解決し、地域社会発展のための計画と方策を総合的に追究していく学問です。学部では、その担い手になる学生を「コミュニティ世紀のプロドューサー」として育成します。

 

 新春、新入生を迎えてキャンパスははなやいだ雰囲気にあふれています。これからは、学生一人一人と教職員が、学園コミュニティの担い手として、どのようなコミュニティをつくりあげていくか、新しい挑戦が始まります。たとえば、学生が中心になって、エコ(環境)キャンパスづくりに取り組むのも一つの目標です。よい環境をつくることで大学が元気になります。また、環境や福祉などの現場でボランティア活動に汗を流してみることが、「自分はどのように生きるのか」という目標に近づくための何かをつかむことができると思います。

 

 これからの学生生活を有意義に過ごして、協働して地域社会をつくりあげている企業・行政などの職場や学校などで、将来、学んだことを活かして大いに活躍できるように、力を蓄えましょう。心からの、ごあいさつといたします。

 

 

平成16年入学式         若い仲間を迎えて、入学歓迎スポーツ大会

 

愛知学泉大学、短大の平成16年入学式が43日、岡崎学舎で行われ、コミュニティ政策学部71名の新入生が入学を許された。

 同月19日午後、学生会主催の新入生歓迎行事が体育館で開かれた。新入生はほぼ全員出席し、簡易バレーボールとクイズで得点を競うゼミ対抗合戦で、楽しいひと時を過ごした。頭と身体、それに運も味方して優勝したのは都築ゼミ、学部長トロフィーを獲得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館を埋めた新入生

 

 

 

 

 

 

 

 

スパイクしようと跳び上がる菅野正彦教授

 

 フランスでコミュニティ運営実習

ランジョン教授が近隣民主主義法を講義

海外版「コミュニティ運営実習」が316日からフランスのパリとその近郊(車で

2時間)アミアンで、6日間にわたって実施された。「フランスのコミュニティを知る」をテーマにしたこの海外研修には、コミュニチェィ政策学部学生(1−3年生)15人と教員ら大学関係者6人が参加、日本にはない「近隣民主主義法」とその実施状況などを勉強した。

 16日午後パリに降り立った一行はその足でアミアンへ直行、アミアン住区委員会の会議を傍聴した。住区委員会側がシャンパン、ワインに心づくしのサンドイッチ、デザートを用意、学生たちは「皆さん、とても気さくで、暖かく迎えていただいた」と感激。

翌日ピカルディ大学でランジョン法学部教授が「住民参加と地方分権」を骨子とする近隣民主主義法について解説した。学生たちは「(2002年に施行された)同法に基づき設置が義務付けられた地域評議会と従来からあった住区委員会の関係はどうなっているのか」など専門的内容の質問を連発、ランジョン教授から「いい質問だ。みんさん、事前によく勉強して講義に臨みましたね」とお褒めの言葉をいただいた。

午後は市の都市計画について住民代表が説明した。失業対策も盛り込んだ整備計画が進められているという。 

 

 パリでは非営利組織「プランニング・ファミリアル」を訪問した。性的暴力、家庭内暴力などの悩みに訪問や電話相談で応じている。

また学校への性教育講師も派遣している。この組織は匿名出産された幼児の養子先を探し、その後の親子関係を促進するためのアドバイスも行なっている。フランスでは宗教的理由で中絶できないため、匿名出産による養子が認められている、という説明に学生は「衝撃」を受けたようだ。

 

 参加した学生たちは10月から2月まで7回の事前研修を受け➀フランスの地方自治と住区委員会➁フランス語初心者講座➂外国人児童教育C地球環境とスポーツーーなど多彩なテーマの講義を受けた。   

 

 

 

 

 

パリのプランニング・ファミリアルでフランスの市民生活を勉強

 

 

ちょっといい話

 図書館前に登場した巨大なベンチとテーブル

廃材を利用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館前、中庭に重厚な大テーブルが生まれた。丸太を真っ二つにしたどっしりしたベンチが四脚。バーベキューによし、青空教室によしの多目的施設。なんと旧家のはりに使われていた廃材を教職員が勤労奉仕で仕上げた。

経営学部の鈴木石松先生(健康科学専攻)主導の下、建築学専攻の梅里迪正先生が設計図を描き道具を提供、ハロルド・G・スロビック、ロバート・J・アラニヤ、伊藤聰ら10人以上の先生方が知恵を出し合い、汗を流した。巨木を人力で運び、のこをひき、ボルトで締め上げ、ブロックで固定、虫食いの穴を埋め、塗装して2ヶ月余の突貫作業で仕上げた。

 

 資材確保や裏方支援には寺部保美前事務局長が汗を流した。

いまや経済界の主潮は環境問題。廃材が見事な教材に生まれ変わった。「ゼロ・エミッション」(ごみゼロ)のお手本ができた。