Community News No.12 (2002.3)

卒業生のみなさんへ 就職について セクシュアル・ハラスメント相談窓口
学生委員会だより 学泉祭展示・発表の部結果報告 かめさんの生きもの日記
ことば・コトバ・言葉

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卒業生のみなさんへ はなむけの言葉


 2001年3月14日、コミュニティ政策学部は第一期生の卒業式を迎えることとなりました。
 卒業生のみなさんに学部教員からメッセージを贈りました。

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就職について   就職委員会


 卒業生の皆さん、おめでとうございます。豊田キャンパスで皆さんの元気な顔を見られなくなるのは淋しいですが、これから各分野で明るく元気に活躍される皆さんの姿を想像して、胸をふくらませています。就職委員会並びに就職課の教職員は、皆さんの就職活動を懸命に支援してまいりましたが、いかがだったでしょうか。コミュニティ政策学部にとっては全てが初体験であり試行錯誤の連続でしたが、皆さんと一緒になって「出来ることは何でもやろう」「一見、不可能なことでも、恐れず挑戦してみよう」という情熱だけは誰にも負けなかった、と自負しております。
 4月に国民の大きな期待を担って小泉純一郎内閣が誕生しましたが、景況感も徐々に悪化し、一時好転しかかった就職戦線も再び超氷河期に突入して苦戦を強いられました。その結果、本年1月10日現在の就職内定率は男子68%、女子52%という状況で、女子は大変苦戦しています。
 内定をいただいた就職先は数の上では一般企業が多いのですが、その中でコミュニティ政策学部らしい就職先としては、次のようなところがあります。愛知県警、岡崎市(消防職)、知立市(消防職)、西尾市(消防職)などの地方公務員、さらに、社会福祉法人 愛知玉葉会藤花荘、あいち中央農業協同組合、トヨタ生活協同組合、知多信用金庫などです。さらに、大学院への進学に合格した人が3人います。
 卒業後、いろいろな分野で活躍される皆さんに贈る言葉は、卒業式の日に配布される「就職ニュース」に寄稿しました。ぜひ、ご一読ください。
 一期生の皆さんが我がコミュニティ政策学部の歴史を作ってくれるわけですが、後に続く後輩の諸君を、今後とも指導してくださるようにお願いいたします。
 最後に、皆さんのご健康とご活躍を心から祈っております。

(文責 梁瀬和男)
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セクシュアル・ハラスメント相談窓口

「セクハラ」という言葉を知っていますか?

四年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 一期生の皆さんが入学するに先立ち、コミュニティ政策学部には、セクシュアル・ハラスメント相談窓口(当初は対応窓口)が出来ました。また同時に「セクシュアル・ハラスメントは人権侵害」であり、ガイドラインを作りました。皆さんの中には、まだ問題も起こっていないのに、どうして対応窓口やガイドラインがあるのかしらと思った方もいらしたと思います。これは、私たちの学部を性差別やセクシュアル・ハラスメントのないコミュニティにしたいと考えたからであり、セクシュアル・ハラスメントの問題は、一度起きてしまうと解決が非常に難しく、何よりもその防止が重要で、そのための啓発活動に力を入れたいと考えたからでした。その背景には、なによりも皆さんの教育を受ける権利を侵害し、教育環境を損なうものであるという考えがありました。そして、大学という場所の特性を考え、例えば、「女だからといって、お茶の準備をしたり/させたり、女だからそんなに一生懸命勉強したり、就職活動しなくてもいいのでは、といった発言や扱い」も重大なセクシュアル・ハラスメントとして想定していました。

 こうして出発した私たちの相談窓口でしたが、皆さんが二年生になった1999年は、日本社会においてセクシュアル・ハラスメントはとても大きな変化を体験しました。使用者に対してセクシュアル・ハラスメントの防止配慮義務が規定された「改正・雇用機会均等法(正式名称は分かりますか?)」が施行されたこと。それを受けて国家公務員に対する同様の規定が定められ、文部省も訓令を発して防止対策を求めました。また裁判でも、700万から900万という高額の損害賠償が認められまし、新聞報道によると、99年の一年の間に提訴された裁判は9件、判決が出た事件は17件でしたが、このうち原告が負けたのはたった一件です。司法においても、セクシュアル・ハラスメントへの理解が進んできているといえるかもしれません。耳目をひいた事件としては、大阪府知事の横山ノック氏のセクシュアル・ハラスメントが刑事告発(その後強制わいせつ罪で起訴)され、民事でも名誉毀損を含めて1100万円の損害賠償請求が命ぜられ、辞職せざるを得なかった事件もありました。たかが「セク・ハラ」とはもういえなくなって来ていると言うことです。

 でも、つい最近(2002年2月)も大学の助教授に対して停職6ヶ月の戒告処分が出されましたし、最近の裁判では、セクシュアル・ハラスメントの構造を全く理解していないものもあります。企業をでも、トラブルがたえないようです。中小規模の企業では社内的な対応が遅れているところも多いし、たとえ窓口やガイドラインが整備されていても、担当者への適切な研修・啓発がなければふさわしい対応は望めない。セク・ハラガイドラインを単純にどこからかもってきて据えるだけ、といった表面的・形式的な対応が、かえって問題を複雑にし、解決を遅らせてしまう場合もあります。

 実は、わたしたちがガイドラインを作った時にも、同じようなことを心配しました。そのために、セクシュアル・ハラスメントにあたる行為と、あたらない行為を列挙するといった安易なガイドラインを作るのはやめました。それと同時に、皆さんに自分たちの学部にとってセクシュアル・ハラスメントとはどういう行為なのかを、皆さん自身に考えて欲しいと思いました。その成果については、私たち窓口の側の不十分さも含めて、皆さんに評価していただくしかないと思っています。

 この学部での経験がこれから社会に出ていく皆さんに何らかの点で役に立てばいいなぁと、心から願っています。また、後輩のために、皆さんが経験することをもって、学部に帰ってくださるなら、それは望外の喜びです。



新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 皆さんは、「セクシュアル・ハラスメント」と言う言葉を知っていますか、聞いたことがありますか?

 この学部の「セクシュアル・ハラスメントガイドライン」や「セクシュアル・ハラスメント相談への手引き」というリーフレットがあります。それらのものができた経緯は、上にあるとおりです。

 コミュニティ政策学部では、セクシュアル・ハラスメントは皆さんの学ぶ権利を 侵害する重大な人権侵害であると考え、セクシュアル・ハラスメントのない環境をつくために取り組んできました。

 とは言っても、ガイドラインを作ったり、「セク・ハラは人権侵害です」と叫んでみても、セクシュアル・ハラスメントがなくなるわけではないのは言うまでもないことです。何より、皆さんたちご自身が自分たちの問題として考え、取り組むことが大切です。これからこの学部でどういう四年間を過ごすのかは、皆さん次第です。一緒にいろいろと取り組んでいきましょうね。

 また、具体的な相談があるときには、遠慮せず、声をかけてくださいね。まずは、セクシュアル・ハラスメントの相談の手引きを読んでみてくださいね。

(文責・井上匡子)
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学生委員会だより



メッセージその1 大学生は大人の扱い

まず第一に学生の皆さんに心得て欲しいことは、大学では学生を「大人」と見なして接するということです。大人ですから、すべての自分の行動や発言には責任が生じます。また、大学の内外で守るべき一定の秩序とルールがあります。
たとえば大学の授業は、定められた大きな枠の中では各学生が自由に選択することができ、出席については中学や高校ほどうるさくは注意されません。しかし授業を欠席したり勉強をサボったりすれば、単位を取得できないというペナルティを負うことになるでしょう。あるいは「登校したときには必ず学内の掲示板に目を通す」というルールを守らなかったために奨学金をもらいそこなうとか、レポートを出せずに単位を落とすということがあっても、その不利益はルールを守らなかった学生が負うことになります。また、教員や職員あるいは学外からのお客様に対して敬語がきちんと使えない学生が、残念ながら本学にも少なからずいます。このような学生が社会的に通用するはずがありません。

メッセージその2 学生生活、学園生活を楽しもう

前項では自分の行動や発言に責任を持つことに触れましたが、責任のもとに大学生としての自由を楽しんでください。学生の皆さんがキャンパスライフを楽しめるよう、大学でもクラブ活動の支援、コンピュータールームやトレーニングルームの一部開放、合宿施設の確保、奨学金の貸与やアルバイトの斡旋などに努めています。社会も学生に対しては各種の学生割引、ユースホステルの優先利用などさまざまな支援をしてくれます。これらはフルに活用しましょう。
 また、本学の一員となった学生の皆さんにはこの学園での生活を楽しむ資格があります。自分の居場所であるキャンパスをできるだけ居心地の良い場にする権利があるのです。学生諸君や教職員の努力にもかかわらず、残念ながら本学のキャンパスには大学として足りないもの、改めなければならないこともまだまだあります。たとえば学生会館がないこと、キャンパス内の劣悪な駐車状況、電灯や水道などが少ないための不便、等々。
 これらの問題に取り組んでいるのが、学生の自治組織である「学生会」です。本学に入学した学生はすべて学生会の会員となるわけですから、この場で自分の意見を訴えていくのが良いと思います。あるいは一念発起して学生会に入り、役員となって豊田キャンパスの学生生活をより良く変えるのも意義あることだと思います。本学のみならず、全国的に学生会の活動は勢いを失っていく傾向にあります。しかしながらこの自治組織を無視していると、学生の声が大学内の他の自治組織である理事会や教授会に届かず、結局学生の皆さんが損をすることになるのです。
 学生会は何も不満を訴えるだけの組織ではありません。新入生の歓迎行事の主催、クラブ活動に対する予算配分や活動場所の調整、他大学との豊田市おいでん祭りへの参加、学泉祭の主催、卒業生を送るパーティーの開催など、大学の行事に関して中心的な役割を担っています。学生会の活動にはなるべく関わるようにするのが、キャンパスライフを楽しむ一つのコツです。

メッセージその3 「学生生活の手引き」を活用しよう 年度初めに「学生生活の手引き」の新しいヴァージョンを手に入れたときには、自分には関係ないと感じる項目も含めて必ず通読しておき、登校の際には必ず携帯して、キャンパスでの生活で困ったことがあったときにはまず「学生生活の手引き」を開くように癖をつけてください。この冊子には学年歴、学内地図を始めとし、学生課や教務課、就職課など事務局窓口の案内、諸手続きの方法、奨学金制度、セクシャルハラスメントに関する相談の仕方、就職活動の仕方、図書館やトレーニングルームなどの諸施設の利用法、学生会とクラブ活動についての有用な情報が載っています。また、「コラム7ぽいんとアドバイス」がちりばめられており、悪質商法や交通事故への対処などが示されています。「学生生活の手引き」を読んでおくことが、充実したキャンパスライフを送る1つの必要条件です。

メッセージその4 大学への「ホウ・レン・ソウ」

大学生は大人であり、自分の行動に責任を持つように述べましたが、実際にはたとえば交通事故を起こしたり、犯罪に関わってしまったり、トラブルを引き起こしてしまったりして失敗してしまうことがあるかも知れません。また、取得単位や進級、卒業、あるいは休学や退学など、大学生活に関して困った事態が生じることもあるでしょう。
 そのような時には、問題がこじれないうちになるべく早めに学生課および指導教員に連絡、報告、相談をするようにしてください。指導教員は基本的に、1年生では基礎演習担当の先生、2年生では1年生秋セメスターの基礎演習2担当の先生、3年生4年生は持ち上がりで演習、卒研担当の先生です。
 交通事故やその他のトラブルなど、くれぐれも隠したりしないこと。いずれは大学に知れることです。むしろ大学が早く知り、何らかの対処をした方が問題を善処できることが多いのです。
 大学への報告、連絡、相談。「ホウ・レン・ソウ」と覚えておいてください。

 以上、学生の皆さんの様子を思い浮かべつつ、伝えておきたいことを思いつくままに書きました。自分自身で納得でき満足できるような大学生活を、長いようで実は短いかもしれないこの4年間(もっとかかる人もいるが)で「創り上げて」ください。

(文責:コミュニティ政策学部学生委員 学生会顧問 矢部 隆)
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学泉祭 展示・発表の部 結果


学長賞 保田ゼミ
銀 賞 武藤ゼミ
銅 賞 小谷野ゼミ
佳 作 山田ゼミ二年
    山田ゼミ三年
    矢部ゼミ
    山崎ゼミ
    西山ゼミ
    鈴木ゼミ
    コミュニティ設計実習
    おたくの館11実行委員会
    情報生活研究会
    学園天国
    第三文明研究会

学祭終了後の展示・発表情報!!



この記事は昨年(2001年)末に投稿されました。
前号の発行後だったため、掲載が遅くなりましたことをお詫び致します。

Community Newsではみなさんからの投稿記事をお待ちしております。
広報委員に声をかけてください。

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かめさんの生きもの日記   矢部 隆

生きものたちの目覚めの春 (特にカエルたち) の巻

 前回のこのコーナーで「この項続く」とやったので、本当は渥美半島の話の続きをしなくてはならないのですが、卒業生を送り、新入生を迎える春がもうすぐそこに来ているものですから、春の話をしましょう。

 「啓蟄」という言葉をご存じでしょうか? 「けいちつ」と読みます。だいたい3月の6日ごろ、冬ごもりをしていた虫たちが動き出すころが啓蟄です。もちろん虫だけではなく、カメやヘビ、トカゲ、カエルなどほかの動物たちもそろそろ起き始めるころですし、フキやツクシやワラビが芽吹き、ウメやモモが咲くころです。啓蟄を過ぎれば、スミレやレンゲやタンポポなどの愛らしい花が咲き始め、大学に新入生を迎えるころにはキャンパスのサクラ並木も満開になります。東海地方の固有種であるシデコブシ(写真1)の花も3月下旬から4月上旬にかけて咲くころです。

 春の風物詩のひとつに「カエル合戦」があります。カエル合戦とは、早春に里山の小さな池や沼に数十、数百のヒキガエルが集まって抱接し、産卵する光景のことです。アズマヒキガエル(写真2)では深さ5 cmの地中温度が6℃以上になると始まることから、カエル合戦は春の訪れの指標とされています。里山ではニホンアカガエル(写真3)やヤマアカガエルも、ヒキガエルよりも早い時期である1月下旬から3月にかけて湿田などの湿地に卵を産みますし、トウキョウサンショウウオも早春が産卵時期です。

 一方トノサマガエル、ダルマガエル、ヌマガエル、ツチガエル、アマガエルは田植え後の夜に水田で大合唱するカエルで、これもまた初夏の日本の風物詩です。カエルで鳴くのは基本的にオスだけです。鳴き声はオスに対してはなわばりの主張を、メスに対してはラブコールを意味しています。つまりこれらのカエルの産卵期は春から初夏にかけてで、水田や湿地に、ゼリーに包まれた卵を産みます。同じく田植え後に産卵するシュレーゲルアオガエルは田んぼのや湿地の縁の土の中にクリーム色の泡に包まれた卵を産みます。春から初夏にはアカハライモリも卵を1個づつ水草の葉にくるむようにして産み付けます。

 近縁種の分布のパターンや生理的、発生的特徴から、田植え前の早春に産卵するのは北方系、田植え後に産卵するのは南方系の両生類です。昔と違って最近では稲刈り後、冬を経て田植えまでは田んぼの水を落とすのが普通になりました。このことは北方系のカエルたちの産卵に好ましくない影響を与えています。カエルの子のオタマジャクシは水中の藻を食べて増えすぎないようにし、おとなのカエルは農作物の害虫を食べ、水田生態系の中でカエルたちは人間の役にも立っているのです。何とか彼らの産卵場所を確保してやれないものでしょうか?

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ことば・コトバ・言葉

‘Friend’(友達)の語源   菅野正彦

 卒業式は晴れ舞台と同時に、仲間や友達との悲しい別れでもあります。「仲間」は英語で'companion'で'con-'[共に]と'panion'[パン]から成り、文字通り「パンを共に」が原義です。日本語に「同じ釜の飯を喰った仲」という表現がありますが、それがこの言葉に当るでしょう。
 これに対して「友達」を意味する英語の'friend'は、古英語の現在分詞'freond'から来ています。現代英語の'free'は、動詞に使われると「自由にする」という意味を表しますが、古英語には「愛する」(to love)という意味もありました。要するに、古英語の現在分詞'freond'は、現代英語では'freeing'となりました。フランス語の(aimer> ami[e])も同様ですが「友達」の背後に「愛すること」という意味があります。
 漢字の「友」は象形文字で「お互いに手に手をそえて助ける様子」を示していますが、英語の'friend'は'loving'(愛すること)という意味を内包しています。「まさかの友は真の友」を英語で'A friend in need is a friend indeed'と言いますが、'friend'や「友」の語源はコミュニティ・マインドをよく表しています。

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