Community News No.11 (2001.12)

2年生必見!教務委員会 就職について 私の夏休み(学生投稿記事)
学生研究発表会受賞報告 豊田学泉祭だより(学生会) セクシュアル・ハラスメント相談窓口
ことば・コトバ・言葉

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2年生必見!    教務委員会

3年次選択必修科目の履修登録

●3年次選択必修科目は,春・秋にそれぞれ1科目を選択する。

 3年次に設けられている以下の選択必修科目は,必ず履修しなければなりません。履修しなければ卒業できないことになる科目です。
 情報処理実習(1・2),コミュニティ設計実習(1・2),コミュニティ運営実習(1・2)の3科目があります。そのうちから1科目を選択し履修登録します。情報処理実習とコミュニティ運営実習には複数のクラスがあるので,希望するクラスを選択します。
 春と秋で違う科目を選択することができます。ただし,同じセメスターに2科目を選択することはできません。また,前期・後期を連続して履修することが望ましい科目・クラスがあります。『コースガイド』等をよく読み,これからどのような学習・研究をすすめるのかを考えて各自の目標にそった選択をして下さい。

●履修登録は,春・秋にそれぞれ行います。

 春の登録は,この12月12日(水)から14日(金)の間に第1次登録(第1希望)が行われました。その結果は12月17日(月)に発表・掲示します。各自で必ず結果を確認してください。
 第1次登録で決まらなかった人は,登録可能な科目・クラスとその人数の掲示を確かめて教務課窓口で第2次登録を行います。それでも決まらなかった人は,同じ要領で第3次登録を行います。日程を確認して、履修登録に臨んでください。
 4月はオリエンテーション後すぐに授業が始まります。登録期間が限られているので,必ず指定の期間中に登録してください。

●各科目には,定員があります。

 第1希望で決まるとは限りません。複数の選択肢を考えておいて下さい。定員は,以下の通りです。クラスごとの定員は,後日,登録時までに発表します。担当される先生方と実習内容については『コースガイド』で確認して下さい。

●コミュニティ運営実習を希望する人は,必ず希望する先生の研究室を訪問する。

 指定の期間に希望するクラス担当の先生の研究室を訪ね,実習内容や履修条件などについて十分理解しておいて下さい。情報処理実習やコミュニティ設計実習を選択しようと考えている場合でも,定員の関係で履修できないこともあるので,コミュニティ運営実習を履修登録することも想定して訪問しておいて下さい。
 なお,先生の研究室を訪問できる日程・時間帯については掲示します。指定された期日に必ず訪問してください。訪問しなかった場合,受け入れが認められない場合があるので注意して下さい。




演習・卒業研究の履修登録は4月に行います

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就職について   就職委員会


1. 4年生の皆さんへ

(1)まだ就職活動中の皆さんへ
(2)就職の内定をいただいた皆さんへ


2. 3年生の皆さんへ



3. 1・2年生のみなさんへ

(文責 梁瀬和男)
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私の夏休み   (学生投稿記事)

カナダ短期留学記

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学生研究発表会 各賞授賞結果報告   研究委員会


11月3日に学生研究発表会が行われました。
厳正なる審査の結果、コミュニティ政策学部からは下記のみなさんが受賞しました。
おめでとうございます!

学長賞(金賞)

銀 賞

銅 賞

佳 作

以上
研究発表会は来年も開催される予定です。みなさんがんばってください!

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豊田学泉祭だより   (学生会投稿記事)


 11月3・4日に第12回豊田学泉祭が開催されました。今年の学泉祭は突然の雨というハプニングがあり、会場変更などでご迷惑をおかけしました。
 コージー冨田さんのお笑いライブは大変好評で、皆さんの笑顔を見ることができスタッフ一同ホッとしました。2日目は軽音楽、よつば、箱入外人etcのライブ、早飲み大会、ビンゴ大会、ファッションでshow、カラオケ大会などの企画が行われました。

シンポジウム風景 井上ゼミの学生が中心となり行われたシンポジウム。
「ここが変だよ性教育」。
助産婦さんの講演。
矢部ゼミではカメの展示かとおもいきや
『恐竜の化石です』。
恐竜の化石
布わらじ 地域の方々が、布わらじ作りをして下さいました。
保田ゼミでは「紙芝居」。
たくさんの子供たちが参加してくれました。
紙芝居

模擬店風景
     トヨタ展示豊田自動車の展示は大好評でした。

(学生会・土井)


学泉祭をながめて    成戸浩嗣
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セクシュアル・ハラスメント相談窓口

セクハラの人間学・2002

カオナシ

 2001年暮れ、夏から上映されている宮崎駿監督のアニメ映画『千と千尋の神隠し』は、いまだ衰えぬ人気で観客動員記録を更新中である。この人気の秘密については、筆者の行なっている講義の中でも取り上げて解説したが、大変興味深い話題である。子どもが大人になることを巡っての様々な現代の課題が盛り込まれていて、心理臨床の立場から見て筋の通った優れた作品である。
 この中にカオナシという不思議な男が、重要な役どころで登場している。カオナシは、主人公の千尋(ちひろ・10歳の女の子)が働いている湯屋(神々が体を休めにくるお風呂屋さん)へ、どこからともなく現れて入り込む、影のような存在である。全身を黒いマントで包み、顔には無表情な仮面を付けている。彼は、自分の言葉を持たず、ただ相手の欲しがるものを手のひらに作りだして与えることによって人と関わることができる。相手が欲望に駆られて手を出すと、仮面の下に隠れた凶暴な口で飲み込んでしまう。そうして飲み込んだ人間の声で、自分の欲望を語り、相手の欲望を際限なく刺激し続けるのである。

カオナシと千尋

 もともとは存在感の無かったこのカオナシが、湯屋に入り込んで砂金を撒き散らし、湯屋で働く人たち(蛙男やなめくじ女たち)の欲望を肥大化させる。大きな宴会場の真ん中で、山のような御馳走を食い散らし、3人もの人間を飲み込んで巨大化したカオナシが、千(千尋の迷い込んだ世界での呼び名)を求めて暴れ狂う。
 "千はどこだ。千をだせ。"
 湯屋を支配する湯婆婆(ゆばーば)に呼ばれてやって来た千尋は、広間の真ん中で独りカオナシに対峙する。カオナシは千尋に山程の黄金を出して誘惑する。
 "金を出そうか。千は何が欲しいんだ。言ってごらん。"
 千尋は答える。
 "あなたはどこから来たの?来たところへ帰った方がいいよ。私が欲しいものはあなたには絶対出せないものだから。お家はどこなの?お父さんやお母さんはいるんでしょ?"
 途端にカオナシは顔を身体に埋めてうめきながら、千尋ににじり寄ってくる。
 "いやだ……いやだ……さみしい……さみしい……千ほしい……千ほしい……"
 カオナシは千尋の拒絶にあって怒り狂い、千尋を飲み込もうとして追いかけ回す。

カオナシのしたセクハラ

 物語のなかでもクライマックスのひとつになっているこの場面のカオナシの行為は、明らかに千尋に対するセクハラである。居場所の無い寂しい人なのだが、自分を持たないが故に、まわりの欲望によって自我肥大を起こし、他者を飲み込んだつもりが他者の欲望に飲み込まれ、暴走する欲望に翻弄される、本質は弱くて悲しい孤独な人間なのである。
 このカオナシの存在は、経済効率と利便性に価値を置く"お金の原理"を行動規範としてきた我々現代人の一側面であるとも言える。生命を育む愛とふれあいを大切にする"いのちの原理"を自らの生き方の中から切り捨ててきた現代人が、人間であることを忘れた姿とも言える。
 人間にとって大切なものを見失い、自分の真実の姿をなくした時、人は目の前の刹那の欲望に駆り立てられて我を忘れる。
 セクハラの本質は、案外そうした身近な心の問題なのである。"いやだ……さみしい"というカオナシの呻きが、背後の問題を教えてくれている。

カオナシの求めていたもの

 その後、千尋は愛するハクという川の化身の男の子を救うために、電車に乗って旅に出るのだが、カオナシは飲み込んだものを全て吐き出した後、千尋を慕って旅についてくる。
 千尋が尋ね当てた先は、湯婆婆の双子の姉・銭婆(ぜにーば)の家である。ここでささやかではあるが温かなもてなしを受けて、カオナシは糸を紡ぐ銭婆の手伝いをする。そして千尋が帰る時に、銭婆から"お前はここにいな。私の手助けをしておくれ"と声をかけられる。
 自分が誰かから必要とされることが、居場所を見つけることである。カオナシは、穏やかな母性によってここでようやく自分の居場所を見つけたのである。物語自体も、ここから大団円へと向かう。最後の使命に向かう千尋を見送るカオナシには、いつの間にか確かな存在感が生まれている。
 人はみな、誰かに必要とされることを求めている。それが得られない時に、心が荒み他人の気持ちを思いやるゆとりを失う。そのように人間同士の心のつながりが断絶したコミュニティの中で、気に入った他者を力づくで一方的に支配しようとする衝動が生まれる。セクハラのような他者支配の欲求も、その他の暴力や犯罪への衝動も、その意味で根は同じである。
 他者の気持ちを大事にすることは、自分と自分の気持ちを大事にすることである。セクハラの問題をみなで考えあううちに、それができるようなコミュニティに育っていくことが、この学部の掲げる理想である。
 セクシュアルハラスメントの問題を、そんな視点から改めて捉え直してもらうと、自分は大丈夫、関係ない、と、思っていることが結構危ないことだと、気付いてもらえるのではないだろうか。

(文責・後藤)
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ことば・コトバ・言葉

ヒト(homo sapiens)の語源   菅野正彦


 「ヒト(人間)」をラテン語で'homo sapiens'と言います。'Homo'から英語の'human'や'humanity'という言葉が派生しました。'Sapiens'には「賢明な、聡明な、分別がある」という意味と、名詞として使われると「美食家」という意味とがあります。
 'Sapiens'の名詞が'sapientia'で、イギリスの哲学者・Thomas Hobbes(1588-1679)は「知は力なり」(sapientia est potentia)という有名な言葉を吐きました。
 ラテン語の'sapio'は「(私は)味わう、味がする、味を知っている」の外に「賢明である、目がきく、理解する」という意味があります。名詞'sapor'は「味、味覚」という意味で、'homo sine sapore'は「味のない(無味乾燥な)人」を表し、英語の'savour'や'sapid'はこの意味から来ています。従って'sapiens'には「分別がある」と同時に「味が分かる」という意味があります。
 「文章を味わう」に見られるように、学術用語として味覚の言葉が使われることがあります。このように、勉学と飲食とは密接な関係があるのです。

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